
不動産会社のM&A、件数金額とも増加
―仲介会社が集計、7~9月で最高額更新
不動産業界で各社のシェア争いが過熱するなか、企業の合併・買収が活発になっていることがM&A仲介大手・ストライク(東京・千代田区、荒井邦彦社長)の調査で分かった。東京証券取引所に上場する不動産会社が19年7~9月に届け出た買収案件の総額は1495億6200万円となり、同期間では集計を取り始めた08年以降で最高額を更新。件数も11件(前年同期6件)と増え、08年の13件に次いで多かった。同社は「日銀の金融緩和策などがM&Aを後押しし、売り手市場になっている」としている。
上場不動産企業の適時開示情報をもとに経営権の異動を伴うM&A案件(グループ内再編除く)を同社が集計した。19年7~9月期には米フォートレス・インベストメント・グループがユニゾホールディングスをTOBで子会社化することを表明。その際の買付金額が1300億円を超えるとみられることから同期の金額が跳ね上がった。このほか、イオンモールが横浜インポートマートの株式87.89%を約70億円で追加取得、子会社する事例や、ティーケーピーがスイスIWG傘下・台湾リージャス社の全持分を約29億円で取得、子会社化する案件などもあった。
不動産会社の7~9月期の買収金額は、08年は807億4000万円、09年は78億円、10年は1億7500万円などと年によってばらつきがある。12年の買収事例はなく、13年から金額が少しずつ増加。過去3年の実績は17年が122億5400万円(件数8件)、18年が296億2300万円(6件)、19年が1495億6200万円(11件)と拡大している。件数は09年と17年が8件、18年が6件などとなっている。
2019.11.22