経産省、遊休工場の実態把握へ全国調査

―建築費高騰で居抜き需要増、3月公表へ

 経済産業省は使われていない工場跡地の実態把握を強化する。全国の都道府県らに近く依頼する工場適地調査の設問に「工場跡地該当」「工場建屋の有無」を追加し、遊休状態にある工場の情報を集める。調査結果を来年3月以降に専用サイトの「METI土地ナビ」で公表。必要に応じ産業用地を探す企業と自治体を引き合わせ、跡地の活用を促す。製造業の国内回帰やデータセンター需要の高まりで工場跡地の引き合いが強く、建築費高騰で居抜きの工場を探す企業も増えていることから、国として調査に本腰を入れる。

 工場適地調査では工業団地などの9000㎡を超える土地を対象に、所在地や所有者、面積、農地転用の可否、進出希望業種、売却価格などを調べる。調査は毎年同時期に実施しているが、居抜き需要に応えるため、今回から新たに建屋の有無なども聞くことにした。調査項目を見直す方針は、経産省が6月に開いた産業構造審議会地域経済産業分科会第39回工場立地法検討小委員会で出た意見などを踏まえて決めた。

 工場跡地を再び活用する場合、従来は土壌汚染の調査や浄化に多くのコストがかかっていた。ただ近年はバイオ浄化などの技術開発が進み活用のハードルが下がり、跡地の活用事例が急速に増えている。KDDIはシャープ堺工場(堺市)跡地に「大阪堺データセンター」を開発し、今年1月に稼働した。一方、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は隣接する日本製鉄工場跡地の西半分の市有地(約3ha)を活用し、園地を初めて拡張する方針を決めた。大阪市とUSJの運営会社は土壌汚染調査などを経て28年以降の契約締結を目指すとしている。

2026.09.18