
国交省、住宅市街地の水害対策を強化
―豪雨多発でマンション設備など対応急務

国交省、住宅市街地の水害対策を強化
―豪雨多発でマンション設備など対応急務
国土交通省は住宅が集まる市街地の水害対策を強化している。ゲリラ豪雨の勢いと頻度が高まる中、本年度は住宅のかさ上げやピロティ化、止水版設置、避難デッキの整備などを補助する総合支援を展開。6月には『災害に強い首都「東京」形成ビジョン』も改定し、高台まちづくりの検討やDXによる復旧対応などを急ぐ方針を決めた。今月千葉県を襲った豪雨では3千棟を超える住宅に浸水被害が生じ、一部のマンションでは電気系統が壊れるなど都市の水害対策に課題が浮かんだ。想定を超える被害への対応が急務だ。
国交省は本年度の当初予算に「住宅市街地総合整備事業(水害対策型)」を計上し、住宅や避難所のかさ上げ、避難路整備、備蓄倉庫設置などを促している。災害危険区域の住宅に防災改修を後押しする枠組みも設けた。19年の東日本台風では高層マンション地下の受変電設備が水に浸り、昇降機や給水設備などが機能停止に陥る事例があった。国交省と経産省は20年6月に「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」を定め、電気設備を上階に移したり出入り口に止水板を設けたりするなどの対策強化を打ち出した。
ただ、この指針は義務ではなく、都市部には対策が不十分な物件が多い可能性がある。不動産経済研究所の調査では首都圏の超高層住宅は25年時点で1014棟、30万656戸だ。豪雨の内水氾濫などで水の流入経路は読みにくく、指針に沿う対策が急がれる。今月の豪雨を受け、千葉市の神谷俊一市長は20日の定例会見でハザードマップを見直す考えを示した。国交省の住宅局建築指導課は「現時点で指針を見直すことは特段検討していない」としているが、前例のない豪雨災害に備える必要性が高まっている。
2026.09.04