
投資家は「働きたい街」で街の需要把握
―三菱UFJ信託、テナントは賃料の合理性

投資家は「働きたい街」で街の需要把握
―三菱UFJ信託、テナントは賃料の合理性
三菱UFJ信託銀行は、同社で実施した調査「働きたいオフィス・働きたい街ランキング2026」を分析したレポートをまとめた。1位「丸の内」、2位「大手町」、3位「新宿」と、働き手の選ぶ街はオフィスビルの賃料水準の順位と異なるエリアが並ぶ。そのため、投資家の視点からはエリアの需要の層や厚みを把握でき、テナント(事業法人)の視点では採用競争力や人材が定着するエリアか、といった賃料を支払う合理性を測ることができる指標とみている。
働き手には、通勤しやすさや駅ビル・娯楽施設の充実など「通勤利便性重視」や、雰囲気の良さといった「街のブランド完成」、地元企業の需要や再開発による将来的な価値を見込む「再評価待ち」「ポテンシャル評価」の4つの選び方があるとした。「通勤利便性重視」は、上位20位までに「品川」や「横浜」などが入った。都心中枢から一定の距離にある街が多く、必ずしもビル賃料の高さに直結しなかった。「街のブランド完成」は、「丸の内」「大手町」「八重洲」などで、人気も賃料水準も高く、長く評価されてきた街が多い。「再評価待ち」や「ポテンシャル評価」は「川崎」のほか、21位以下のエリアが多くを占めた。
レポートでは、働きたい街ランキングの上位エリアは、通勤や生活の利便性に基づく需要か、象徴性やイメージに基づくかといった要素があるとする。テナントにとって、オフィスに人材や事業の戦略を支える基盤の面も重要とみている。投資対象としては、需要の質に加えて持続性も見極める視点が重要と捉えている。また、同一エリア内でも建物の特性で、従業員の快適性や生産性に関連が深く、企業が従業員の「働きやすさ」への対価と負担とも分析できるとする。
2026.06.26