
登記のない建物、1000万戸超の推計
─法務省、制度改正も見据え精査に着手へ

登記のない建物、1000万戸超の推計
─法務省、制度改正も見据え精査に着手へ
法務省は、登記されていない建物が全国に1000万戸超あると推計した。将来的に所有者不明建物と化すおそれがあり、支障を感じている自治体は約8割に上った。推計に用いた調査結果には、増改築の変更登記未了や、物置や車庫など附属建物の登記未了分が含まれている。法務省は、所有者が登記義務を怠り、主要な建物の表題登記がされていない「未登記建物」の総数を明らかにするため、更なる調査を行う方針だ。
登記がなくとも固定資産税は課税される。自治体は課税のため、登記簿にない建物を把握しているケースがある。法務省は、固定資産税課税台帳上の建物数と、登記未了の建物数などについて全国の自治体にアンケートを行った。760自治体が回答した。建物の全体数は約3610万戸で、うち登記未了建物は約800万戸あった。登記未了割合は22.2%。地方ほど特に多く、建築時期は70~90年ごろに集中していた。結果から全国分を推計すると1000万戸超となった。
支障が「ある」と回答した自治体は769自治体(1009自治体回答)。▽建物の存在を把握できず課税漏れが生じ得る▽空き家バンクに登録できないなど困難が生じ得る▽空家法に基づく助言や指導などの相手先特定が困難▽災害時に所有者特定が困難だと復旧や支援が遅れる─などの声が寄せられた。
不動産登記法は、新築建物の所有権の取得者に、1カ月以内に建物の所在地や床面積などの表題登記を義務付けている。所有者の義務であり、法務局の登記官が職権で行うことにすると、モラルハザードが起きかねない。一方で、登記官の調査可能な範囲には限界がある。法務省は義務の履行促進のため、登記官が未登記建物の情報を職権で収集する方策などを検討する。
2026.05.29