政府、暗号資産による不動産取引を警戒

─片山金融相、法律違反のおそれ注意喚起

 片山さつき財務・金融担当大臣は閣議後会見で、暗号資産を用いた不動産取引に関し、マネーロンダリング対策を徹底するよう業界団体に要請したと発表した。不動産によるマネロン対策強化の一環。要請は文書で、金融庁、国土交通省、財務省、警察庁の連名で発信された。片山大臣は「やり方によっては資金決済法違反になるおそれがある」と注意喚起した。

 不動産は多額の現金との交換が可能なため、犯罪組織のマネロンに悪用される危険がつきまとう。政府は対策強化を進めている。特に国境を越えた資産移転が瞬時に可能な暗号資産は、マネロン目的の不動産取引の決済に利用される危険性が高く、警戒を強める。

 要請文は、暗号資産を円などの法定通貨に交換したり、交換の媒介をしたりする行為は、暗号資産交換業に該当し、暗号資産交換業者の登録を受けずに行うと「資金決済法に違反するおそれがある」とする。例えば買主が暗号資産で不動産の代金を支払った場合、不動産仲介業者が暗号資産を円など法定通貨に交換して売主に渡すと、暗号資産交換業の無登録営業にあたる可能性がある。要請文は業者が自ら売主になるケースで、売却代金を暗号資産で受け取って法定通貨に換金する場合(暗号資産交換業には該当しない行為)でも、無登録の交換業者を利用しないよう求めた。

 暗号資産を用いた不動産取引を行う場合は、犯罪収益移転防止法の取引時確認を厳格に行い、疑わしい取引の届出を行うことも要請した。また、実態把握を進めるため、外為法の海外から3000万円を超える暗号資産等を受領した場合の報告書、非居住者が日本の不動産を取得した場合の報告書の提出についても、周知徹底を求めた。

2026.05.15