
相続土地国庫帰属制度、見直し検討へ
─法務省、帰属後の土地の処分・管理課題

相続土地国庫帰属制度、見直し検討へ
─法務省、帰属後の土地の処分・管理課題
相続土地国庫帰属制度について、法務省が見直しの検討を開始したことが分かった。課題となっているのが、国の財産として帰属した後の土地の管理・処分方法だ。制度を活用して国庫に帰属した土地は累計2542件。関係省庁と国庫負担軽減のための見直しを模索する。必要であれば関連法の改正も視野に入れる。
同制度は、相続などで取得した土地を一定の負担金を支払って手放し、国庫に帰属させることができる制度。国庫帰属後の土地は、宅地は財務省、田畑や森林は農水省が国有財産として管理する。23日に自民党で開かれた所有者不明土地等に関する特別委員会で、法務省は財務省・農水省の取り組みを含め現状を報告した。26年2月末時点で、国庫帰属は累計2542件。増加が顕著で、25年2月から1年間で約1.8倍に増えた。内訳は、宅地931件、農用地822件、森林167件、その他622件。「有効活用の見込みが生じた」を主な理由に申請が取り下げられた事例が941件あった。却下・不承認は159件。
帰属土地が増える一方、売却に至ったものはほとんどなく、管理コストが国の負担として膨れ上がる懸念がある。法務省は帰属土地の管理費用の実態把握を進める。財務省は、処分手続きの柔軟化を検討する。具体的には、境界確定協議や地下埋設物調査がいらない現状有姿売買の導入や、隣地所有者が相手の場合の随意契約活用などが候補となっている。農水省は、帰属農用地の情報発信を行う専用のウェブサイト構築を進めるなど、処分に向けた情報発信を強化する方針。
法務省は申請前に売却を促す仕組みづくりも注力する。不動産業界団体と連携し、相談のあった土地に積極的な仲介を検討してもらうよう働きかける方針。
2026.05.01