自民党、住宅都市分野の海外展開で提言

─市場拡大国や新興国への進出を積極支援

 自民党の住宅土地・都市政策調査会(松島みどり会長)に設置された「住宅・都市分野における海外展開支援に関するプロジェクトチーム」(PT)が今後の取り組みをまとめた提言案を作成した。人口減により市場縮小の懸念がある日本の住宅産業・不動産業が、市場拡大が見込まれる諸外国へ積極的に打って出ることを後押しする。

 複数回にわたる民間企業・団体からのヒアリングを受けての提言案。①市場拡大の続く米国、豪州、欧州等における事業拡大の支援②新興国の市場獲得のため企業活動支援とビジネス環境整備③住宅・都市分野の海外展開、国際連携を推進するための取り組み・体制強化─の3つを柱に掲げた。市場拡大国に対しては、政府レベルの関係強化と、日本企業の企画提案力や競争力、発信交渉力を高めるため日系企業間の連携を促す。新興国に対しては、耐震・免震技術や住宅ローン制度、集合住宅管理システムなど日本の強みが発揮されるビジネス環境を整備していく。

 PTでは、国土交通省が住宅分野の海外市場の現状を説明したほか、大手ハウスメーカーを中心に、多くの民間企業・団体が取り組みを説明した。国交省は、海外には米国・豪州をはじめ住宅不足が深刻な国があると指摘。日本の大手ハウス3社(大和ハウス工業、積水ハウス、住友林業)がこうした海外住宅市場に積極的に進出し、3社の海外事業売上高の合計が5年前の2倍以上の2兆円超に拡大していることを紹介した。

 民間からは、積水ハウス、大和ハウス工業、東急、三井不動産、国際住宅建築都市産業協会、日本免震構造協会がヒアリングに協力した。

2025.05.30