
政府、外国人の土地取得に司令塔組織
─骨太方針に盛り込む、自民提言を反映
政府、外国人の土地取得に司令塔組織
─骨太方針に盛り込む、自民提言を反映
政府は、外国人の土地などの取得や管理、利用について、総合的な検討を行う政府横断の司令塔組織を設ける方針だ。閣議決定された25年の経済・財政の基本指針(骨太方針)のなかに明記された。全国の土地の透明性を高めるため、外国人を含め土地の所有者情報とデータベースの充実も検討する。骨太のこの部分のベースとなったのは、自民党の提言。提言はより具体的に、不動産登記簿など土地関連台帳に国籍を含めることが盛り込まれている。
骨太25は「国民の安心・安全の確保」の項目のひとつに「外国人との秩序ある共生社会の実現」を掲げた。外国人による土地の取得などに関する政府の司令塔構築は、この項目のうち「国土の適切な利用及び管理」の分野の施策。安全保障上、重要な施設周辺の不動産取引に事前届出を義務付ける重要土地等調査法の見直しの検討も挙げている。
骨太の外国人施策は、自民党がまとめた提言「国民の安心安全のための外国人政策」の内容を反映している。提言は「これまでの我が国の制度は、多数の外国人を受け入れるグローバル化した社会を前提とした設計になっておらず、国籍等の情報や土地所有等の実態の把握を制度的に行うことができていない」と指摘。所有・利用状況の把握を進めるため、不動産登記簿、農地台帳、固定資産課税台帳などの土地関連台帳や、重要土地等調査法、国土利用計画法に基づく届出などについて、「国籍や利用実態を含めた土地所有等情報の統一的な充実を図る」とした。
提言は、自民党の外国人との秩序ある共生社会実現に関する特命委員会がまとめた。
2025.06.27