国交省、駐車場マネジメント推進で指針

─共同住宅の荷さばき場の附置義務推進

 国土交通省は、今後の駐車場政策の指針「持続可能なまちづくりと都市交通の実現に向けた駐車場マネジメントの推進のためのガイドライン」を公表した。駐車場の需給の実態データをもとに、計画的な取り組みを進めていく。積極的に駐車場をマネジメントする「攻めの駐車場政策」に転換する。

 駐車場は多くの自治体で、供給が需要を上回っていると認識されている。国交省が24年に行った調査では、約7割の自治体が駐車場は全域的に「供給大」と回答した(回答853自治体)。一方で、まちづくりで立地適正化計画を策定する都市599都市でも、駐車場の配置の適正化に取り組んでいる自治体は3都市にとどまる。

 指針は具体的な施策の進め方として、基本方針で適切な駐車場供給目標を設定し、5年に一度をメドに需給調査を行ったうえで見直していくことを盛り込んだ。交通状況も踏まえて駐車場のマネジメントが求められる区域を指定。エリアマネジメント団体や物流事業者などともに、産学官の連携で進めることが重要と位置付けた。駐車場施設そのものに対しては、周辺案内や休息施設を設けるなど、まちの入口としての案内・機能を充実させる。緑化など景観にも配慮した魅力的な駐車場を目指していくことが必要とまとめた。

 自治体が定める附置義務の見直しを推進し、区域や建築物の用途、車種ごとの量の適正化も進める。都市物流の効率化のため、共同住宅への荷さばき駐車場は附置義務導入を推進。多様なモビリティの駐車環境の確保のため、自動二輪車駐車場の附置義務導入や、自転車駐車場での電動キックボードの受入れを進める。

2025.06.13