
国際ブランドホテル揃い観光市場伸びる
―コリアーズ分析、欧米豪などから誘客で
国際ブランドホテル揃い観光市場伸びる
―コリアーズ分析、欧米豪などから誘客で
コリアーズ・インターナショナル・ジャパンは、日本の観光市場に関する分析をまとめた。同社でホテルなどの部門で責任者を務める住吉敬氏は「国際的なブランドのホテルが揃い、宿泊単価の上昇や1人当たり消費額の大きい欧米豪などから誘客する振興策で観光市場は伸びる」と予測する。
24年は訪日外国人の消費額が8兆円台、日本人の国内旅行消費額が25兆円台とともにコロナ前の19年を上回り、ホテル取引の投資額も1兆円を上回った。住吉氏は「政府目標の30年に訪日客数6000万人・消費額15兆円の達成に向けて、観光市場の拡大に今後も注力されていく」と見通しを語る。そのような環境下で、富裕層の受け皿として機能するラグジュアリーブランドのホテルも揃う。今後は、大阪に国内第1弾が開業したヒルトン系の最上級ブランド「ウォルドーフ・アストリア」の東京進出に加えて、東京駅前の「トーチタワー」内でロンドン発の高級ブランド「ドーチェスター・コレクション」が28年に開業予定。住吉氏は「現在、訪日外国人で最も消費額が多い中国系の今後は読み切れない。一方で、MICE需要などの強化、食や多様な文化などの発信で、高い宿泊単価をはじめ消費額の多い欧米豪の富裕層で活況となれる」と話す。地方での動向については「岐阜県高山市など地価上昇が目立つ地域のほか、富良野も外資が進出している。秋田県では洋上風力発電に伴うビジネスも含めたホテル需要が増えた」という。
投資市場は、数百億円規模の大型取引が24年に複数みられて活発だった。住吉氏は「世界経済の影響で今後は鈍化する可能性はあるが、欧州からの資金などが日本に向けられて活況の可能性もある」と話す。
2025.05.01