国交省、高断熱の住宅設計ポイント紹介

─断熱性能等級6以上の留意点まとめる

 国土交通省は、断熱性が高い住宅の設計ポイントをまとめた「省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド」を公表した。断熱性を極めて高くした住宅は、適切に設計しないと逆に冷暖房負荷を増加させるおそれがある。計画や設計で積極的に検討すべきポイントをまとめ、住宅の更なる省エネ実現を目指す。

 設計ガイドの対象は、断熱性能等級6以上の断熱性能がある住宅。季節・方位・時間に応じて日射を調整できる設計、家中を快適にするための適切な段冷房設備・換気設備の設置、レジリエンス性の向上といった3つの視点から、設計ポイントをわかりやすくまとめている。

 住宅性能表示制度の断熱性能等級は、22年に従来の等級4(16年省エネルギー基準)を大きく上回る等級6、等級7が新たに創設された。ガイドはこれら等級6・7の住宅について、熱損失を極力抑えられると説明。一方、特に等級7では、冬期に過度に日射熱を取得すると部分的な暖房のオーバーヒートが発生するリスクや、湿度が高いと冷房時の室温安定時に除湿ができず、湿度が高い状態のままになってしまうリスクがあると指摘している。

 ガイドは開口部・開口部材による日射調整や、高効率な冷暖房設備の紹介、冷暖房方式と設置位置、断熱性の高さを生かした空間構成などについて具体的手法を提示する。例えば冷暖房機器の設置位置では、少ない台数のエアコンで家全体を効率よく適温を保つため、壁掛け式、全館空調システムなど主な方式での設置位置を図で分かりやすく示した。ガイド作成は環境共生まちづくり協会。

2025.05.01