
国交省、建築物LCAの制度化に着手
─議論開始、28年度から運用開始へ
国交省、建築物LCAの制度化に着手
─議論開始、28年度から運用開始へ
国土交通省は、建築物が資材製造段階から使用・解体に至るまでに排出するCO2(ライフサイクルカーボン)を算定し、評価する仕組みづくりに乗り出す。専門家18名からなる「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会」を立ち上げ、議論に着手する。28年度をメドに新制度の運用開始を目指す。
建築物のライフサイクル全体におけるCO2を含む環境負荷の算定・評価は「建築物LCA(ライフサイクルアセスメント)」と呼ばれる。世界のCO2排出量のうち、建築物関係からの排出は37%。2050年カーボンニュートラルの実現のため、政府は更なる削減を目指す。政府は関係省庁の連絡会議を設けており、建築物LCAの制度化も検討してきた。連絡会議には国交省も参加する。制度の具体的な枠組みを検討するため、国交省住宅局に検討会を立ち上げる。
検討会では、建築物LCAの実施を促すための方策、原単位(算定のための主要建材の特定)、原単位データベース、建築物LCAの結果の表示方法などを議論する。関係省庁連絡会議による基本構想案によると、28年度までの制度開始を目指すが、まずは建築物の規模や用途などを絞って段階的にスタートさせる考え。算定対象となる原単位は、削減効果が大きい主要な建材や設備から優先して整備していく。
18日に開催された建築系専門家会議で検討会の設置が説明された。委員からは「LCAは、ライフサイクル全体におけるCO2を含む算定評価であり、CO2以外の負荷がどうなっているかも忘れずに検討を進めていただきたい」との意見があった。
2025.04.25