
都心の築浅大型ビル、空き床が希少に
―CBRE分析、25年竣工ビルは7割内定
都心の築浅大型ビル、空き床が希少に
―CBRE分析、25年竣工ビルは7割内定
シービーアールイー(CBRE)は、都心の築浅大型ビルの空室が希少になったと分析するオフィス市況のレポートを公表した。移転後の面積が概ね1000坪以上となるオフィス移転の事例は24年の年間で60件近くまで増加し、立地の改善やスペックの向上を図る「グレードアップ移転」がその半数近くを占めた。23年から人的資本経営への関心が高まり、グレードアップ移転が増加したと分析。CBREオフィスチームリーダーの岩間有史ディレクターは「24年末時点で、25年竣工のビルは7割近くが内定した。コロナ前の水準に回復しつつあり、オフィス市況の好調で都心・大型・築浅ビルの空き床は希少になった」と話す。
概ね1000坪以上の移転について、コロナ前の19年は60件を上回る件数だったが、20年にコロナ禍の影響で30件近くに激減。その後は回復傾向が続いている。移転理由をみると、19年は「拡張移転もしくは新規開設」や「オフィス集約のための移転」を合わせると過半数だった。一方で、23年以降は立地やクオリティの改善を目的とする「グレードアップ移転」が20件以上に増加。その受け皿として、築浅のグレードAビルへの移転も増加している。岩間氏は「22年以降に竣工したビルは開業時の稼働率は低かったが、24年末時点では高稼働になった。24年竣工のビルも25年に入って稼働率が急上昇」と語った。
都心の築浅ビルは、人材確保が目的の移転増加に加えて、建築費の上昇などが影響した竣工延期、移転に伴う内装工事の長期化なども絡んで今後も当面は空室の少ない状況が続く見込みだ。岩間氏は「移転先のオフィスを早期に確保する必要性が出てきた。かなり先の竣工ビルも検討がある」という。
2025.04.18