
公共貢献による容積率緩和、地方へ拡大
─国交省、開発地近隣の空き地利活用評価

公共貢献による容積率緩和、地方へ拡大
─国交省、開発地近隣の空き地利活用評価
国土交通省は、公共貢献を行う都市開発に容積率アップのインセンティブを与える地域を拡大する方針だ。自治体がデベロッパーによる公共貢献を評価し、容積率を緩和する仕組みは、これまで大都市部を中心に活用されていた。根拠となっている都市計画運用指針を改訂し、地方でも仕組みの活用が進むよう明確化する。また、建物をつくるだけではなく、地域課題の解決と、その後の管理運営も見据えた公共貢献が評価されるようにする。
自治体が都市開発で容積率を緩和できる制度には、「都市再生特別地区」「特定街区」「高度利用地区」「再開発等促進区」などがある。このうち都市再生特別地区は、都市計画運用指針(都市計画制度の考え方を自治体向けに示したもの)で、デベロッパーの公共貢献を評価して容積率緩和につなげるための記載がある。都市再生特別地区は大都市部に設けられるエリアのため、こうした取り組みはこれまで大都市部で行われることが多かった。
国交省は指針を改訂し、都市再生特別地区以外の地方エリアでもデベロッパーの公共貢献が評価され、容積率が緩和されるようにする。想定するのは地方の地域課題の解決だ。地方は駅周辺でも空き地や空き家が存在する。デベロッパーが開発する土地の周辺に、空き地・空き家がある場合に、その利活用と管理を行っていくことを公共貢献として積極的に評価するよう自治体に促す。この場合、空き地などが開発地と接していなくても公共貢献として認められるようにする方針。
国交省は26年通常国会にまちづくりに関する都市再生特別措置法などの改正案提出を目指している。指針はこれら関連法の改正に合わせて改訂する。
2025.12.19