三井不ら、築地市場跡地の基本計画公表

―総延べ約126万㎡、事業費約9千億円

 三井不動産とトヨタ不動産、読売新聞グループ本社は築地市場跡地(東京・中央区)に計画する街づくりの施設整備などの方針を示す基本計画を公表した。自然と都市が共生し発展する街を目指す「ワンパーク ワンタウン」が開発コンセプト。約19万㎡の都有地を70年の定期借地権契約で借り、延床面積約17・9万㎡のスタジアム・店舗や約40万㎡のライフサイエンス・商業棟、約14・6万㎡のMICE・ホテル・住宅棟など9棟を整備する。総延床面積は約126万㎡を見込む。総事業費は約9千億円。本体工事を28年度に着工し、多くの施設は30年代前半の開業を予定している。

 基本計画は三井不らが昨年12月に立ち上げた築地まちづくり株式会社(特別目的会社)が主体的に策定した。街の中心に大規模集客・交流施設を配置し、その周りに住宅やオフィス、商業、ホテル、ライフサイエンスなどの各施設を設ける。スタジアムは5万人程度を収容できる規模で、多様なスポーツ試合や娯楽などに対応できる可変性が売り。旧築地市場は貨物列車を引き込むために扇の形状をしていたが、再整備後も扇を街のデザインモチーフにすることを明記した。

 川沿いなどに合計10haのオープンスペースを整備する。虎ノ門や新橋、汐留、銀座、日比谷など近隣の街との連携を強めるほか、陸・海・空のモビリティが乗り入れるハブを設け、広域的な交通結節点にする。施工者は鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店。協力会社に朝日新聞社とトヨタ自動車も加わる。
 三井不らは基本計画の策定に合わせ、土地の歴史や施設概要、工事の進ちょくなどを紹介する公式ウェブサイトも公開した。都や中央区、関係機関らとともに情報発信を充実させるという。

2025.09.05