
健康長寿社会をテーマに各地の事例収集
─首都圏白書、20年から人口減少局面へ
政府はこのほど、20年版「首都圏白書」を閣議決定した。20年からは、首都圏でも人口減少局面に入り高齢化が進むことから、メインテーマを「活力ある健康長寿社会に向けた首都圏における取組」としている。 首都圏の将来人口推計では、今後は特に東京都と近隣3県(埼玉・千葉・神奈川)で急激に高齢化が進行すると見込まれている。高齢者が安心して暮らすためのまちづくりと都市機能の確保が急務となっている。今年の首都圏白書では、高齢化社会に対応したまちづくり・都市機能の確保、多世代交流・高齢者の社会参画による生きがいづくり、健康増進の取り組みの3分野について、データと実際の事例を集めた。
高齢化社会に対応したまちづくり・都市機能の確保の分野では、千葉県睦沢町の道の駅「むつざわ つどいの郷」を紹介。道の駅の隣接地に高齢者や子育て世代向け住宅を整備するなど、道の駅を拠点にした高齢者などの生活拠点づくりが進められている。
一方、生きがいを感じていない高齢者は、会話をほとんどしない人(51.4%)、近所付き合いがほとんどない人(48.0%)、単身世帯の男性(37.3%)などで割合が高くなっている。こうした高齢者が生きがいを得るための社会参画が重要と考えられ、参考として埼玉県春日部市の武里団地の取り組みを紹介する。地元の大学生に家賃を助成して入居してもらい、助成の条件として地域イベントの企画・運営に携わることとしている。また、適切な運動による高齢者の健康増進のための取り組みとして、甲府市でイベントで歩いた歩数に応じてポイントを付与する取り組みを紹介している。
2020.06.26