
住生活基本計画、6月中に中間まとめ案
─流通3団体が既存住宅取引活性化へ提言
国土交通省は12日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開き、次期住生活基本計画の議論を進めた。今回は前回までの産業・新技術・まちづくりの視点の議論を整理するとともに、既存住宅流通に携わる仲介系3団体らがプレゼンを行い、それぞれ提言を発表した。次期計画は次回6月26日の分科会で中間とりまとめの案を示す方針。閣議決定は21年3月。
国交省側は、議論のベースとして、住宅産業や関連産業の市場規模や、災害と住まいに関するデータなどを整理した。建物を検査するインスペクションの市場規模(推計)は、16年度の4万5000件・21億8000万円から、18年度には6万1400件・29億5000万円に伸びていることを示した。
内山俊夫・全国宅地建物取引業協会連合会副会長は、インスペクションが行われた一定の既存住宅「安心R住宅」について、全宅連の実績が18年度56件、19年度73件だったことを報告。安心R住宅を扱う会員は19年度111社から20年度86社に減少した。実績もふるわず社数も減少した背景には、「制度にメリットが感じられない」という声があるという。同制度の普及には、「固定資産税減免などさらなる環境整備が必要」(内山氏)と提言した。
不動産流通経営協会の大下克己・住宅流通政策検討委員会委員長は、近年、40㎡台のコンパクトマンションのニーズが高まっているデータを提示。住宅ローン減税の面積要件の下限を現行の50㎡から40㎡に引き下げるよう提言した。山田達也・全日本不動産協会常務理事は、所有者不明土地を一度国などが所有し、再度市場に流通する仕組みの構築を提案した。
2020.06.19