マンション管理業界、IT重説を許可

―国交省、コロナ対策で対面説明を回避

 国土交通省は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、マンション管理業界のIT重説を認める。新型コロナの感染が拡大し、マンション管理会社と管理組合の対面説明を回避するため、当面の間の対応としてIT重説を認める法解釈の通知を行った。

 マンション管理業者は、管理業務を受託する場合、マンション管理組合に対し受託業務の内容を説明する義務がある(マンション管理適正化法第72条)。重説の方法は、「対面」とは法律上は明確に定めていないが、事実上は対面を原則として実施されてきた。しかし新型コロナの感染が全国的に拡大し、管理組合から対面による説明を避けたいという要望が上がるようになり、現場では対面説明が困難になってきている。

 国交省は23日付で、ウェブ会議システムなどITを活用した方法で実施した場合も、適正化法上の重説として認める取り扱いを発信した。また、管理業者が行うマンション管理の状況をまとめた管理事務報告書の説明(マンション管理の適正化の推進に関する法律施行規則88条・同89条)も、ITを活用した説明方法を認める。

 マンション管理業界は昨年、IT重説の社会実験に自主的に取り組んできた。IT重説の実施方法は、マンション管理業協会が作成する「マンション管理業者によるITを活用した重要事項説明等に係る社会実験のためのガイドライン」を参考とするよう、国交省は指示している。ガイドラインは、IT重説の実施方法や実施の同意をとることなど手順を解説する。説明にはIT活用を認めるが、重説等に必要な書類については従来通り事前の書面交付(紙)が必要。

2020.05.01